第29回 日本エイズ学会 (学術集会・総会) が東京で開かれました。
トピックス
2017/02/15
東京ドームホテルで開催されましたが、都会になれていない私にとって周辺はとてもにぎやかに感じました。入口のクリスマスツリーは本格的な冬の到来を感じさせるとともに、気持ちを華やかにさせてくれます。
今回の学会のテーマは 『 予防、予防、予防 そして予防 』 です。
HIVはまず、予防が何よりも大切である。ということが伝わってくるテーマです。
2014年に 国連合同エイズ計画(UNAIDS) は 『90-90-90 』 の目標を掲げました。
これは
全感染者の90%がきちんと検査を受けて陽性と診断され、
診断された人の90%がきちんと治療を受け、そのうち
90%でウイルス量を抑制(検出限界以下に)させることを言うものです。
世界の流れは 『HIV予防』 に関してが研究のテーマであり、
予防としての治療 (Treatment as Prevension : TasP)
感染していない人に予防薬を投与する (pre-exposure prophylaxis : PrEP) ことよる
HIV予防に大きな関心が向けられています。
さて、HIVに関して日本の事情はどうでしょうか?
日本では2007年以降、毎年およそ1500人の新規のHIV感染者およびエイズ患者の報告があります。
これはHIV抗体検査受検率と大きくかかわっています。多くの人がHIV抗体検査を受ければ
新規HIV感染はやがては減少していくはずです。しかし一部の人しかHIV抗体検査を受けていなければ
新規感染は横ばい、もしくは今後、さらに増加していく可能性があります。
保健所では無料・匿名でHIV抗体検査を受けることができます。是非、活用してみてください。
でも、時間や場所、その他の理由で保健所は利用しにくいと感じておられる方がいらっしゃるならば、
郵送検査でHIV抗体検査を受けるという選択肢もあります。こちらも是非、活用してみてください。
学会ではHIV療法・看護・母子感染・日和見感染・疫学・福祉支援・創薬についてなど多岐にわたる様々な内容の口演がいくつもあり、複数の会場で同時に行われているため、すべて聴講できないのが残念です。私は当社で検査技師として実際に検査を行っている人間で、検査やウイルス制御などについて聴講しましたが、専門性の高い貴重なお話をたくさん聞くことができ、たいへん勉強になりました。得られた知識を役立ててゆければと思います。
(※ 中は撮影NGなので、ご紹介できなくてすみません・・・・)
HIV研究・HIV治療は少しずつですが確実に進歩・前進しています。
また来年、エイズ学会でお話を聞くことができれば光栄です。
文: 若林