20代・30代に知ってほしい子宮頸がん
20代~30代の女性に多い
子宮頸がん
子宮頸がんを発症する若い女性が増えてきています。
日本は子宮頸がんの検診受診率が低い為、進行してから発見されることが多く、命を落としてしまうケースも多数あります。
ですが子宮頸がんは、早期に発見することで確実に治癒ができるがんです。
子宮頸がんの罹患率が上昇している年代である3人と一緒に、子宮頸がんについて知っていきましょう。
キャラクター紹介
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りさage:27
都内に住む会社員。友人間でも子宮頸がんが話題になったりしていて心配だけれど、毎日仕事に追われて忙しいため、病院へ行く日がとれずにいる。
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かれんage:21
都心の大学に通っている学生。休日は流行りのマッチングアプリで、不特定多数の人と出会って遊んだりして過ごしている。自分には病気は関係ないと考えている。
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しずかage:32
パートナーと結婚・出産を視野にいれていて、少し将来のことを考え始めている。妊婦健診でわかることは多いけど、その前に病気について知っておきたい。
子宮頸がんとは?
子宮頸がんは20代~30代女性に急増中です
子宮頸がんは、かなり進行するまで自覚症状がほとんどなく、最悪の場合は命に関わります。
命を落とすことがなくても、子宮の摘出が必要になる場合があります。
注1) 国立がん研究センターがん情報サービス「がん登録・統計」(全国がん罹患モニタリング集計(MCIJ))2015年のデータ参照
注2) 国立がん研究センターがん対策情報センター人口動態統計によるがん死亡データ(1958年~2018年)2018年のデータ参照
子宮に発症するがんでも
がんができる場所で特徴が違います
◎子宮頸がん
子宮の入り口の子宮頸部にできるがんで、20代~30代に発症が増えているがんです。
かなり進行するまで、自覚症状がほとんどありません。命を落とすことがなくても子宮の摘出が必要になって、妊娠や出産ができなくなることもあります。
◎子宮体がん
子宮体部にできるがんで、閉経前後の女性(主に50~60代)がかかりやすく、早期から不正出血などの自覚症状があります。
日本人女性における
子宮頸がんの発症状況(2015年)
子宮頸がん発症人数(人口10万人あたり)※注3
【上皮内がん】がんの初期段階で組織の表面(上皮)のみに発生し転移の心配がないもの
注3) 出典:子宮頸がんの発症状況(日本人女性)
国立がんセンターがん対策情報センター、人口動態統計(厚生労働省大臣官房統計情報部編)
子宮頸がんの原因は?
高リスク型HPVが原因
子宮頸がんの原因は主に性交渉によって感染する、高リスク型のヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスが原因です。
動画で詳しくご説明しています。※音楽が流れます。
HPVに感染する確率
性交渉経験のある女性の8割がHPVに感染します。
感染した方のうち、約9割の方は、自己免疫によってウイルスを体内から排除することができます。
自己免疫で排除できなかった場合、ウイルスが長期感染(持続感染)し、子宮頸部の細胞が数年かけてがん細胞へと変化していく可能性があります。
これが子宮頸がんと呼ばれるものです。
HPVに感染しているかどうかを検査するのが、予防の第一歩です!
子宮頸がんは
ほとんどの人に
自覚症状がありません
気が付かないまま進行します
進行した子宮頸がんの症状
- 不正出血(月経時以外の出血)
- おりものに血や膿が混じる
- 性交時の痛み
- おりものの異常
- 性交渉後の出血
- 下腹部や腰の痛み など
進行すると手術が必要になる場合も…
定期的に検査を受けていれば、がんになる前の段階(異形成)で発見することができます。
異形成の段階で治療を行えば、子宮を摘出することなく完治できるため、その後の妊娠や出産にもほとんど影響はありません。
簡単な処置で治療できます!
子宮頸がんの検診受診率
子宮頸がん検診は
受診率が低い傾向にあります
日本は子宮頸がん検査の受診率が、他の国と比較して低い傾向にあります。
子宮頸がん検診の国際比較 20~69歳
出典:OECD.OECD Health at a Glance 2015,Nov 2015
がん検診の国際比較 20~69歳 女性の子宮頸がん検診受診割合(~2015年)
定期的な検査をしないまま、病気に気が付かず進行してしまったがんでは、治療が困難な場合や子宮の摘出をする場合もあります。
受診しない理由の1位は
忙しくて時間がない為
病院へ行くのが面倒や
症状が無いからなどの理由も
(データ元:平成28年度 がん対策に関する世論調査)
あなたも当てはまるかも!?
働き盛り世代
忙しくて時間がない子育て世代
費用が高い遊び盛り世代
結果を知るのが怖い
子宮頸がんを治癒するには、がんになる前の段階(異形成)で発見することがポイントと言えます。
定期的に病院で検査をするのが難しい方には、郵送検査がおすすめです。
ケースが多くあります
検査について
病院や自治体の子宮頸がん検診を受診する
または、郵送検査でセルフチェックをした後に、必要に応じて検診を受診するのもオススメ
病院や自治体の子宮頸がん検診では、問診・視診・医師が採取した細胞による細胞診・内診を行います。
郵送検査では自身で検体を採取し、検査機関に郵送して検査を行ないます。
◎細胞診とは
従来より、子宮頸がん検診で行われている検査法です。子宮の入り口を綿棒・ブラシ・またはヘラのようなものでこすって細胞を採り、顕微鏡で採取した細胞の「形」に異常がないかどうか調べる検査です。
20歳以上になると
市の定期検診が受けられます
20歳以上になると2年に1回、市の定期検診を受けることができます。
詳しくは各市町村の検診案内をご確認ください。
https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/kensui/gan/contact/
どうなると手術が必要?
細胞診検査での判定による
細胞診では、子宮頸部から採取された細胞の状態を NILM、ASC-US、ASC-H、LSIL、HSIL、SCC、AGC、AISの8段階で判定します。
ASC-US以上(NILM以外)の判定の場合、精密検査(HPV検査や組織診)を行う必要があります。場合により手術が必要なケースがでてきます。
細胞診の判定(ベセスダシステムと日母分類)
横にスクロールしてご確認ください。
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ベセスダシステム NILM 日母分類(クラス) Ⅰ・Ⅱ 細胞所見 正常な細胞又は非腫瘍性の炎症所見 細胞診後の
処置・対応次回は2年後に検診を受ける -
ベセスダシステム ASC-US 日母分類(クラス) Ⅱ・Ⅱb・Ⅲa 細胞所見 軽度な扁平上皮内病変の疑いがあり正常とは違う変化がみられる 細胞診後の
処置・対応HPV検査を受け、陰性であれば1年後に検診を受け、陽性であれば精密検査(コルポ診・組織診)を行う -
ベセスダシステム ASC-H 日母分類(クラス) Ⅲa・Ⅲb 細胞所見 高度な扁平上皮内病変の疑いがあるが確定的でない 細胞診後の
処置・対応精密検査(コルポ診・組織診)を行う -
ベセスダシステム LSIL 日母分類(クラス) Ⅲa 細胞所見 HPV感染や軽度異形成の可能性が考えられる 細胞診後の
処置・対応精密検査(コルポ診・組織診)を行う -
ベセスダシステム HSIL 日母分類(クラス) Ⅲa・Ⅲb・Ⅳ 細胞所見 中等度異形成・高度異形成・上皮内癌(早期がん)の可能性が考えられる 細胞診後の
処置・対応精密検査(コルポ診・組織診)を行う -
ベセスダシステム SCC 日母分類(クラス) Ⅴ 細胞所見 扁平上皮癌が強く疑われる 細胞診後の
処置・対応精密検査(コルポ診・組織診)を行う -
ベセスダシステム AGC 日母分類(クラス) Ⅲa・Ⅲ・Ⅲb 細胞所見 腺異型または腺がんの疑いがある 細胞診後の
処置・対応精密検査(コルポ診・組織診)を行う -
ベセスダシステム AIS 日母分類(クラス) Ⅳ 細胞所見 上皮内腺がんが疑われる 細胞診後の
処置・対応精密検査(コルポ診・組織診)を行う
子宮頸がんの原因
ヒトパピローマウイルスには
性交経験者の
80%が感染します
まずはHPV検査だけでも確実に行いましょう
HPVの有無を調べることが
子宮頸がん予防の第一歩です
高リスク型のHPVに長期感染(持続感染)することにより、子宮頸がんを発症します。
このHPVに感染しているかを確認することにより、将来、子宮頸がんを発症するリスクがあるのかを知ることができます。
自分でできるHPV検査をおすすめします
HPV陽性=がんなの?
HPVには種類があります
HPVには100種類以上の型(遺伝子型)が存在し、そのうち高リスク型の15種類が子宮頸がんを引き起こすことで知られています。
HPV陽性=がん とはいえない
高リスク型HPV検査が陽性であっても、必ず「がん」ということではありません。ほとんどの場合が一過性の感染で、90%以上は時間の経過とともに体内から自然消失します。
ですが、高リスク型HPVに持続的に感染していると、子宮頸がんを引き起こす可能性が高くなります。
通常2年に1回ですが
HPV感染の有無で
検査の頻度が違います
細胞診とHPV検査どちらも検査した場合
細胞診(陰性) + HPV検査(陰性)
2年後に検診細胞診(陰性) + HPV検査(陽性)
6~12ヶ月後に再検査細胞診(陽性) + HPV検査(陰性or陽性)
すぐに精密検査
高リスク型のHPVに持続感染している場合でも、子宮頸がんになるまでには数年~十数年の時間がかかります。
定期的に子宮頸がん検診を受けていれば、がんになる前の状態(前がん病変)で発見し、治療することが可能です。
定期的な検査が大切です
自宅で検査できる?
子宮頸がんのリスクチェックが
自宅でも手軽にできます
自宅に届いた検査キットをつかって、自分で採取をするので、診察椅子に座る必要もありません。
検査結果もスマホで確認できるので、スキマ時間で検査ができます。
郵送検査が選ばれる理由
(2021年1月~2021年10月の期間)※重複回答あり
郵送検査を利用することで、病院へ行かなくても検査をすることができます。
病院へ行く時間がとれない方や、診察台が苦手な方におすすめです。
GMEの郵送検査はこちら
【自宅で簡単】子宮頸がんリスクチェックHPV検査自己採取でも検査精度は大丈夫?
自治体でも自己採取HPV検査を開始
自己採取HPV検査は医師採取に比べ若干精度は低下するものの、子宮頸がんのリスクチェックとして有効な手段として国内でも普及し始めております。
欧米では自己採取HPV検査を、子宮頸がんの一次スクリーニングとして公的に導入している地域が多く、日本国内でも札幌市(北海道)、調布市(東京都)、埼玉県(志木市)などの自治体が導入を始めています。
もちろん郵送検査で行なう自己採取HPV検査の結果は絶対ではありませんが、ご自身のリスクを知ったうえで、必要であれば医療機関に受診するようにしてください。
GMEには学会認定士が常駐
GME医学検査研究所の臨床検査技師の内1名は、国内で47名(2021年10月更新)のみに与えられた「性感染症学会認定士」として登録されております。
具体的なお悩み、ご相談に認定士が直接お答えいたします。
郵送検査サービスなら
スキマ時間に
自宅で検査ができる!
郵送検査の注文から結果確認まで
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1お申込み
インターネットやお電話から簡単にお申し込みが可能です。土日祝も含め15時までのご注文・ご入金は、即日発送を行います。
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2検体採取
検査キット一式がお手元に届いたら、同封されている採取方法説明書や取扱説明書をよく読み、ご自身で検体を採取していただきます。
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3返送
返送方法は、同封してある返信用封筒に、検体を入れて、ポスト投函していただくだけです。返送時にお客様の送料負担はございません。
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4結果確認
インターネット、または、お電話で結果を確認することが可能です。
子宮頸がんの治療方法は?
子宮頸がんは早期発見で
90%以上治すことが可能です
子宮頸がんは、早期に発見し治療をすれば治る確率が高い病気です。早期治療だと子宮を切除せずに済む可能性も高くなります。
「がん」確定診断から5年経過後に生存している患者の比率
出典:全国がん罹患モニタリング集計 2009-2011年生存率報告(国立研究開発法人国立がん研究センターがん対策情報センター, 2020)
独立行政法人国立がん研究センターがん研究開発費「地域がん登録精度向上と活用に関する研究」平成22年度報告書
がんが進行してしまってからの治療は、死亡率があがってしまったり、再発しやすくなったりします。早期に発見し治療をすることが大切です。
子宮頸がんの手術は?
子宮頸がんの治療法には、手術・放射線治療・抗がん剤治療があります。
がんの病期(ステージ)や、年齢、合併症の有無など、それぞれの病状に応じて選択されます。
外科治療(手術)
前がん病変や早期がんの段階で見つかれば、「円錐切除術」で治療し子宮を温存できるため、その後の妊娠出産が可能です。
がん細胞が広がり進行している場合は、子宮摘出手術や周囲のリンパ節なども摘出する必要があります。
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円錐切除術
がんのある部分を円錐状に切り取る。
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単純子宮全摘出術
子宮を全て切除する。
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広汎子宮全摘出術
子宮の全てと膣の一部、卵巣・卵管を含めて、骨盤壁近くから広い範囲で切除。リンパ節も同時に切除する。
放射線治療
放射線を体の外から照射する方法や、腟を通して子宮頸部のがんのある部分に照射する方法があり、がんを小さくする効果があります。
抗がん剤治療
白金製剤の単独使用や白金製剤を中心とした、多剤併用療法が行われます。
子宮頸がんを
再発した方の75%が
2~3年以内に再発している
子宮頸がんは再発する病気です
治療から約2~3年後に再発
再発してしまった場合の生存率は最初の時よりも低くなりますほかの臓器で再発する場合も
肺や肝臓などに遠隔転移再発しやすいといわれています
5年以上が経過したあとに再発することもあるため、治療後でも定期的に検査をすることが大切です。
定期的に検査をしましょう
HPVワクチンとは?
HPVワクチンは子宮頸がんの
原因の50~70%を防ぎます
HPVワクチンは、性交渉を経験する前に摂取することで、子宮頸がんの発生率を88%減少させる効果があります。
最新データでは、HPV(ヒトパピローマウイルス)ワクチンを早期に導入した英国やスウェーデンから、子宮頸がんが減少したという報告があります。
4価HPVワクチン接種と浸潤性子宮頸がん発生の関係
小学校6年生~高校1年生までは
無料でワクチン接種が可能
12~16歳の女子の場合は、無料でHPVワクチンを3回接種できます。
詳しくは下記にてご確認ください。
「厚生労働省ホームページ」ヒトパピローマウイルス感染症~子宮頸がん(子宮けいがん)とHPVワクチン~
2022年10月現在、キャッチアップ接種も行っております。
くわしくは厚生労働省ホームページにてご確認ください。
ワクチンの種類と内容
HPVワクチンは3種類ある
現在、日本国内で使用できるHPVワクチンは3種類あります。
・「サーバリックス (2価HPVワクチン)」
・「ガーダシル (4価HPVワクチン)」
・「シルガード9 (9価HPVワクチン)」
上記のうち、サーバリックスとガーダシルは定期接種として公費で受けることができます。
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サーバリックス : 2価HPVワクチン
- 対応HPV型
- 予防できる疾患
- ・子宮頸がんなど
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ガーダシル : 4価HPVワクチン
- 対応HPV型
- 予防できる疾患
- ・子宮頸がん
・肛門がん
・尖圭コンジローマ
・外陰上皮内腫瘍
・腟上皮内腫瘍など
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シルガード9 : 9価HPVワクチン
- 対応HPV型
- 予防できる疾患
- ・子宮頸がん
・腟上皮内腫瘍
・外陰上皮内腫瘍
・尖圭コンジローマなど
すでに性交渉経験があっても
26歳までは接種が
推奨されています
すでに性交渉の経験があっても、26歳までは接種が推奨されています。
現在感染していないHPV型には効果があるため、今後の感染予防になります。
※接種するワクチンの種類によって、対応できるHPV型が異なります。
すでにHPV感染したあと接種した場合
まだ感染していないHPV型には
ワクチンの効果が発揮されます
副作用について
HPVのワクチン接種は、平成25年4月から定期予防接種となりましたが、接種後にワクチンと無関係と言い切れない持続的な痛みがあるという報告が相次いで起こりました。
そのため、同年6月から定期接種という位置づけは変えずに、個別に予診票を送るなどの接種勧奨を差し控えていました。
その後、ワクチンの有効性や安全性に関する評価や、接種後に生じた症状への対応などの議論が継続して行われていました。
令和3年11月に厚生労働省が開催した専門家の会議で、改めてHPVワクチンの安全性が他の定期接種のワクチンと比べて特に低い訳ではないことが確認され、接種によって子宮頸がんを予防できるという有効性が副反応のリスクを明らかに上回ると認められ、差し控えの状態を終了させることになり、令和4年4月から、他の定期接種と同様に、個別の勧奨を行うことなりました。
(参考)
リーフレットを掲載している厚生労働省ホームページ「HPVワクチンに関する情報提供資材」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/leaflet.html
子宮頸がんとは
- 20代~30代の女性に増えている
- 性交渉経験ある女性8割が感染する
高リスク型HPVの持続感染が原因 - 症状がなく発症に気づかない
進行してしまうと命を落とすことも - 早期発見で比較的簡単に治療できる
- 定期的に検査をすることが大切