まいこぷらずまかんせんしょう
マイコプラズマ感染症
まいこぷらずまかんせんしょう
マイコプラズマ感染症
マイコプラズマ感染症とは
image:Wikipedia
マイコプラズマ感染症とは、マイコプラズマ・ジェニタリウム(Mycoplasma genitalium)という微生物が尿道や子宮頸部などの性器部位に感染することにより、主に男性では尿道炎、女性では子宮頸管炎が引き起こされます。
マイコプラズマと聞くと肺炎を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、それはマイコプラズマ・ニューモニエ(Mycoplasma pheumoniae)という別の種類によるものです。
マイコプラズマと聞くと肺炎を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、それはマイコプラズマ・ニューモニエ(Mycoplasma pheumoniae)という別の種類によるものです。
image:CDC
感染経路
マイコプラズマ感染症は、主に性行為により感染します。
主な感染経路
性行為によるパートナーからの感染
性交渉・アナルセックス・オーラルセックス
※ 直腸および咽頭にも感染はしますが、症状が出にくいとされています。
性交渉・アナルセックス・オーラルセックス
※ 直腸および咽頭にも感染はしますが、症状が出にくいとされています。
症状と潜伏期間
- 排尿時の痛み
- 尿道から膿や水っぽくサラサラとした分泌物
- 尿道の強い痛み~かゆみ
マイコプラズマ・ジェニタリウムを治療せずに放置すると、
- 急性細菌性前立腺炎
- 急性精巣上体炎
- 亀頭包皮炎
- 性行為により感染した反応性関節炎
- 不妊症
のリスクが高くなります。
無症状である場合が多い
- 膿っぽいまたは水っぽくサラサラとした膣分泌物
- 自覚症状の強い人~軽微
さまざまな症状が現れるため、症状からマイコプラズマ感染症と判断することは難しいです。
マイコプラズマ・ジェニタリウムを治療せずに放置すると、
- 骨盤内炎症性疾患[PID]
- 早産、自然流産
- HIV感染リスク
- 性行為により感染した反応性関節炎
- 不妊症
のリスクが高くなります。
検査について
◎検査の種類と方法
検査法 | 検査原理 | 特色 |
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検査法
核酸増幅法(リアルタイムPCR法)
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検査原理
検体中のマイコプラズマ・ジェニタリウムが有するDNAを検出する。
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特色
特定の遺伝子領域を増幅するため、微量であったとしても最低検出量を上回るマイコプラズマ・ジェニタリウムが存在すれば検出が可能であり、感染の初期や軽度の感染でも検出することができます。また、他の微生物との交差反応を起こす可能性が低いため、高い感度と特異性のある検査です。
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比較的新しい性感染症の原因であるマイコプラズマ・ジェニタリウムは、臨床的に有用な検査法がなかったため調べるとしても保険適用外でした。
しかし、2022年6月にリアルタイムPCR法による核酸増幅検査が保険適用となり話題となりました。正確な感染率や治療の統計が不足しているマイコプラズマ感染症について、今後様々なことが明らかになってくることが期待されています。
しかし、2022年6月にリアルタイムPCR法による核酸増幅検査が保険適用となり話題となりました。正確な感染率や治療の統計が不足しているマイコプラズマ感染症について、今後様々なことが明らかになってくることが期待されています。
予防
マイコプラズマ・ジェニタリウムは主に性行為によって感染するため、オーラルセックスも含めて性行為の際には正しくコンドームを使用しましょう。
また、定期的な検査は、感染の早期発見や治療を可能にし、感染が拡大するのを防いでくれます。もし感染していた場合にはパートナーにも検査を勧めるようにしましょう。パートナーの感染が未治療のままである場合、再感染のリスクが高まります。
薬剤耐性の進行によって治療が困難な場合もあるので、なかなか症状が治らない場合には担当医師によく相談しましょう。
また、定期的な検査は、感染の早期発見や治療を可能にし、感染が拡大するのを防いでくれます。もし感染していた場合にはパートナーにも検査を勧めるようにしましょう。パートナーの感染が未治療のままである場合、再感染のリスクが高まります。
薬剤耐性の進行によって治療が困難な場合もあるので、なかなか症状が治らない場合には担当医師によく相談しましょう。
性的感染からの予防
性交渉の際は、コンドームを正しく使用する。
定期的な検査
マイコプラズマ・ジェニタリウムは、感染していても症状が現れづらいのが特徴のため、定期的に検査を受けましょう。
また、新しいパートナーとの関係を始める前には、お互いに性感染症のスクリーニング検査を受けましょう。
また、新しいパートナーとの関係を始める前には、お互いに性感染症のスクリーニング検査を受けましょう。
※体にいつもと違う変化を感じたら医療機関を受診し、必要な治療を受けることが重要です。
治療法
● マクロライド系 アジスロマイシン
服用期間 :1日
● キノロン系 シタフロキサシン
服用期間 :7日間
● テトラサイクリン系 ドキシサイクリン
服用期間 :7日間~14日間以上
治療判定
投薬が終了してから2~4週間後に、PCR法による遺伝子学的検査を行います。
薬剤耐性
マイコプラズマが注目を集める理由のひとつに、薬剤耐性の問題があります。
マイコプラズマ・ジェニタリウムにはアジスロマイシンが有効でしたが次第に治療失敗例が報告されるようになり、現在では薬剤耐性化が進んできており世界的に問題となっています。アジスロマイシンが無効の場合、シタフロキサシンによって治療を行います。
しかし、シタフロキサシンの無効例も報告されるようになってきており、ますます治療が困難になってきています。その場合は、薬剤の変更や服用期間の延長で対処するなど、担当医師とよく相談しながら完治まで根気強く治療を行いましょう。
マイコプラズマについてのQ&A
- マイコプラズマ肺炎の人との性行為により感染しますか。
- マイコプラズマ肺炎はマイコプラズマ・ニューモニエ、性器に感染するのはマイコプラズマ・ジェニタリウムと菌の種類が異なるため、マイコプラズマ肺炎の人と性行為をしてもマイコプラズマ・ジェニタリウムに感染することはありません。しかし、マイコプラズマ肺炎は飛沫感染するため、マイコプラズマ肺炎を発症するリスクがあります。
- キスだけでも感染する可能性はありますか。
- マイコプラズマ・ジェニタリウムは咽頭(のど)に感染する可能性があるため、感染している方や治療中の方とのキスはお控えください。
- マイコプラズマ感染症は自然治癒しますか。
- 一度感染が成立したマイコプラズマ感染症は、抗菌薬で治療しない限り、治癒することはありません。
- マイコプラズマ感染症を治す市販薬はありますか。
- マイコプラズマ感染症の市販薬はなく、治療に用いる抗生剤は医師の処方が必要です。
- 直腸や咽頭に感染しても症状は出にくいとされていますが、出るとしたらどのような症状がみられますか。
- 直腸でみられる症状は、肛門内部の痛みやかゆみ・肛門出血です。咽頭では、のどがイガイガするような痛み・咳が出るといった症状がみられます。
マイコプラズマ検査を含む、おすすめ検査
医療用具番号 届出番号:09B3X00006000027