カンジダ症のまとめ
- ①体調不良・過労・ストレスなどでも発症する
- ②男性は自覚症状が少ない
- ③カンジダ菌は常在菌
- ④適切な治療を行えば短期間で治癒する
性器カンジダ症は、カンジダ(カビの一種)が性器に感染して生じる感染症で、女性では、膣炎・外陰炎を発症します。男性の場合、症状例は少ないものの主に亀頭包皮炎を引き起こします。
カンジダは、もともと性器周辺や口腔内・その他の体表に存在している菌(常在菌)であり、通常は増殖しません。ですが抗生物質の服用や、体調の悪化・ストレスなどで免疫力が低下すると増殖して炎症を起こします。そのなかで性行為による感染が原因なのは約5%であるといわれています。
性器カンジダ症は、性行為で感染するのはもちろん、生活習慣の乱れでも発症する場合があります。適切な治療を行えば短期間で治癒しますが、発症原因となる生活習慣を持っている人は再発を繰り返しやすい傾向にあり慢性化する場合があります。何度も再発する場合は生活習慣を見直してみるのもひとつの治療です。
ストレス社会といわれいる今ではなかなか難しいですが、なるべく不摂生な生活は避け、ストレスは発散していくようにしましょう。生活習慣が悪くなってしまうと、性病だけでなく様々な生活習慣病にかかってしまう恐れもあります。
体力・免疫力が低下し、菌に対する抵抗力が弱くなると、カンジダが異常増殖します。
ホルモンバランスの変化により膣内が酸性に傾きやすくなると、カンジダが異常増殖する場合があります。
抗生物質によって普段膣内に定住している常在菌が死滅すると、膣内の正常な状態における微生物集団のバランスが崩れ、真菌であるカンジダが異常増殖する場合があります。
適度に温かく湿気の多い環境は、カンジダにとっては条件の良い増殖場所となります。
パートナーの性器にカンジダが増殖していると、性行為を通じて感染する場合があります。ただし、女性から男性へ感染する可能性は低いといわれています。
ステロイド剤、制癌剤などの薬剤投与、糖尿病などが原因となる場合があります。
性器にカンジダを保有していても男性はほとんど自覚症状がありません。包茎・糖尿病・ステロイド剤投与・消耗性疾患(体力が消耗されやすい疾患)などがある場合はカンジダ症を発症しやすいです。主な症状は亀頭包皮炎で、まれに尿道炎を起こすことがあります。
女性の場合は、外陰膣カンジダ症の典型的な症状は外陰部のかゆみとおりものです。
性行為の際にコンドームを正しく使用する以外にも、「ストレスを溜めない」・「規則正しい生活習慣」など、免疫力が低下しないよう心掛けることもカンジダ症の予防となります。抗生物質の服用が誘因と考えられる場合は、医師と相談することが大切です。
性器カンジダ症は、性感染症として捉えることもできますが、カンジダはもともと性器周辺やその他の体の表面に存在している菌(常在菌)であるため、日和見感染症(健康な状態では発症しないが、体力が低下するなどの状況で発症すること)でもあるということに留意する必要があります。
例えばカンジダ陽性(+)でも、自覚症状がない場合は必ずしも治療の必要はありません。症状がある場合のみ治療が行われます。なぜならヒトにとってカンジダは常在菌でもあり、カンジダがただ存在しているだけではカンジダ症とは言えないからです。
発症した際は医師に相談し治療を進めましょう。
カンジダの治療薬は薬局でも市販されており、市販薬を使うことも悪いことではありませんが、使用しても症状が改善されなかったり、悪化するようでしたら医療機関を受診し、他の病気(細菌性膣炎・膣トリコモナス症など)の可能性も含めて診断してもらう必要があります。 また自己判断での治療では不完全な治療になり再発しやすくなるので、初めての場合は医師の指示を仰ぐことをお勧めします。
●カンジダ感染・発病予防