トリコモナス症のまとめ
- ①性行為の経験がなくても感染する
- ②女性の20~50%は自覚症状が無い
- ③男性は女性から感染する
- ④再発を繰り返す事が多い
トリコモナス症は、トリコモナス原虫による感染症で、主に男性は尿道炎や前立腺炎、女性は膣炎を引き起こします。
トリコモナス原虫による感染症は、最もポピュラーな性感染症として古くから知られています。地域によって感染率の差が大きく、近年日本では減少傾向にありますが、再発を繰り返す難治症例も少なくありません。
トリコモナス症は、感染者の年齢層が他の性感染症と異なり非常に幅が広く、中高年者の感染者もしばしば見られます。
トリコモナスは主に性行為によって感染しますが、原虫が感染源ですので、下着やタオル・便器や浴槽などを通じても感染します。
ごくまれに、性行為の経験のない女性や子供でも感染する可能性があります。
男性は通常、トリコモナスに感染している女性から感染します。
ですが、無感染の女性が感染している男性と性行為をした場合、トリコモナスは男性から女性へ感染します。
女性のトリコモナス感染者には様々な症状が現れますが、おおむね20~50%は自覚症状がありません。(潜伏期は10日〜数ヶ月)。自覚症状のないまま放置してしまうと、炎症が拡がり、最悪不妊や早産・流産の原因になることがあります。
また、トリコモナスなどの性感染症に感染すると、膣の中の粘膜が炎症を起こし他の性感染症にかかるリスクが高まるので、症状がなくても検査をすることをおすすめします。
男性は主に尿道炎症状を起こしますが、一般的に無症状の場合が多いことが特徴です。まれに前立腺炎や精巣上体炎を起こします。
女性のトリコモナスのおりものの症状は特徴的で、悪臭を伴う黄色膿性あるいは、淡膿性のおりもので泡状であることが特徴です。
男性は、症状が感染後10日前後の潜伏期を経て現れる場合もありますが、尿道への感染だけでは排尿によって洗い流される可能性があります。
主な予防方法は、性行為の際にコンドームを正しく使用する事です。
また、下着やタオル・便器や浴槽などからも感染する危険性があるため、不衛生な生活用品と性器との接触を避けることも重要です。例えば【タオルの共用をしない】【公衆浴場などでは外部の環境(イスや浴槽)と性器との接触に注意を払う】等があげられます。
男性の場合、トリコモナスに感染していても自覚症状が無い場合が多く、検査を行っても検出されることが少ないため、女性パートナーがトリコモナス症と診断された場合に同時期に検査または治療を行う必要があります。
トリコモナス症の治療は、配偶者・パートナーと一緒に、同時期・同期間の治療が必要になります。再発例としては、【トリコモナス原虫の残存によるもの】【隣接臓器からの自己感染】【パートナーからの再感染】などがあるので、医療機関でしっかりと治療を行う必要があります。