腟カンジダ再発治療薬のまとめ
- ①年間4回以上外陰腟カンジダ症の再発を繰り返す例をRVVCという
- ②腟カンジダと診断されたことがあれば市販の治療薬で自己治療が可能
- ③症状に合わせた薬を使用する
- ④購入する際は薬剤師の方によく相談する
何度も繰り返してしまう可能性のある腟カンジダですが、腟カンジダと診断を受けたことがある人は、平成20年4月から薬局等で再発治療薬を購入して自己治療が可能になりました。
ここでは、腟カンジダの再発経路や市販の治療薬について解説していきます。
腟カンジダはカンジダ菌が腟内で異常増殖することによって発症する疾患です。
カンジダ菌は健康な女性でも皮膚や口腔内、腟、消化管などに存在しています。
通常は問題になるようなことはありませんが、風邪や疲労、ストレスなどで免疫機能が低下すると腟内でカンジダ菌が増殖し、腟の痒みや、白色のおりもの、発赤、熱感、痛みなどを生じます。
このような場合は、婦人科や産婦人科を受診してください。
治療にあたっては、局所の清潔と安静を保つことが重要で、刺激性石鹸の使用はせず、通気性のよい下着を使用し、急性期の性行為は避けることなどが必要です。
治療薬には、腟錠や軟膏、経口薬などがあり、状況により使い分けられています。
カンジダによる症状は、通常は腟や外陰部のみで、骨盤内や全身感染症になるようなことはありません。また、初回治療により85~95%の例は治癒します。
しかし、少数例は再発を繰り返すことがあり、年間4回以上外陰腟カンジダ症の再発を繰り返す例をRVVC(recurrent
vulvovaginal candidiasis)といいます。
RVVC(recurrent vulvovaginal candidiasis)の経路
何度も繰り返してしまう可能性のある腟カンジダ症ですが、そのたびに病院に行くのは大変なこともあるでしょう。
初めての症状の場合は病院受診が必要ですが、以前外陰腟カンジダ症と診断を受けたことがあり、その時と同じ症状の場合にはOTC(over
the counter drug、一般用医薬品)として局所治療薬が発売されたため、薬局等で治療薬を購入し自己治療することができます。
薬局等で買える再発治療薬には、膣内部(おりもの)に効果がある膣錠と外陰部に効果があるクリーム・軟膏があります。以下の3つの症状によって効果的な薬の種類が違いますので、適切に使用しましょう。
●症状別の再発治療薬
①膣錠
おりものの異変には膣錠が効果的です。
②クリーム・軟膏タイプ
外陰部の痒みや赤みがある場合は、塗布タイプが効果的です。
③膣錠とクリーム・軟膏の併用
おりものの症状と外陰部の症状が併発している場合は、クリーム・軟膏と膣錠の併用が効果的です。
あくまで再発時の治療薬ですので、初めて発症する可能性の高い15歳未満の方や、他の病気や他の菌の複合感染のリスクが高まる60歳以上の方は自己判断が難しいため病院受診が必要です。
また1~2ヵ月に1回又は6ヵ月以内に2
回以上といった再発を繰り返す場合にも発症の誘因を探るために病院受診が必要です。
その他にも注意事項がありますので、購入する際は薬剤師の方によく相談するようにしましょう。