GME医学検査研究所

HIVは2つの検査でしっかり判定!
HIV検査の進め方

HIVは検査する時期によって結果がかわる?

HIVの検査をした際に『スクリーニング検査』で「陽性」の場合には確認検査を行って、本当に陽性かどうかしっかりと判定を出します。
しかし「陰性」の結果が出た場合でも、検査を受ける時期によって本当は「陽性」だったりする場合があります。なぜそのような事が起こるのか?いつHIV検査を受けるべきなのか?検査方法とあわせて解説します。

HIVの検査について

HIVの検査には、HIV抗体を調べる検査やHIVの遺伝子を調べる検査、HIVを形成するたんぱく質を調べる検査などがあります。通常の検査では血液中のHIV抗体を調べる検査が一般的です。

HIV検査の流れとしては「スクリーニング検査」を行い「陽性」または「判定保留」だった場合に「確認検査」を行い、確認検査でも「陽性」だった場合に、HIVに感染しているということになります。スクリーニング検査で「陰性」だった場合はHIVに感染していないということになります。

◎スクリーニング検査で「陰性」でも注意が必要

しかし、スクリーニング検査で「陰性」となった場合でも、検査を行った時期によっては感染している可能性もあるため注意が必要です。
「陰性」でも感染している可能性があるとはどういうことかというと、HIVの感染初期には検査では感染していることがわからない期間があります。これを「ウインドウ期(ウインドウピリオド)」といいます。

ウインドウピリオドとは?

通常、HIVに感染した場合4週間程度で抗体が血液中に現れますが、それ以前に検査を行うと陰性となってしまう場合があります。そのため、検査を行う際はリスク行為からどの程度経過しているかが重要になってきます。

ウインドウピリオドの関係も含めてHIV検査の流れを説明します。

◎スクリーニング検査

まず、HIVの感染の有無を調べるスクリーニング検査を行います。
HIVには2タイプのウイルスが存在し、世界中に拡散しているHIV-1と主に西アフリカ特有のHIV-2(他の地域でも確認されている)があります。
日本では第4世代のスクリーニング検査が多く用いられています。第4世代の検査ではHIV1/2のIgG/Mに加えHIV-1のp24抗原も同時に測定することによりウインドウピリオドが第1世代の約50日から最短で17日と短くなっています。しかし、1000人に1~2人程度は偽陽性となってしまう場合もあるため注意が必要です。

スクリーニング検査で「陽性」または「判定保留」となった場合は確認検査へと進みます。「陰性」であった場合に重要なのは先ほどお話ししたウインドウピリオドについてです。

感染初期で検査した場合、検査の検出下限以下となってしまう可能性が高く、実際には感染しているのに「陰性」となってしまう場合があります。早く陽性か陰性か知りたいと思うのが人間の心理かとは思いますが、リスク行為からあまり早い時期に検査を行ってしまうと正しい結果が得られない場合もあります。
抗体が血液中に現れる時期に関しては個人差があるため、HIVの場合、リスク行為から3カ月経過後に検査を行い陰性だった場合にHIVの感染は無いとの判断になります。
リスク行為から3カ月経過していない時期に検査を行った場合は、適切な時期に再度検査する必要があります。

◎HIV確認検査

スクリーニング検査で「陽性」または「判定保留」となった場合に、本当に陽性なのかを判断するために行います。
以前はウエスタンブロット(WB)法が用いられていましたが、感度が低いことや、交差反応により判定が困難な場合がありました。現在ではイムノクロマトグラフィー(IC)法が用いられており、HIV-1とHIV-2を同時に検査することができ、感度も改善されています。また、核酸増幅法(NAT法)も同時に検査することが推奨されています。

HIVはいつ検査をするのがいいの?

HIVの場合、リスク行為から3カ月経過後に検査を行い「陰性」だった場合にHIVの感染は無いとの判断になります。そのため、HIV検査はリスクがあった行為から3ヶ月が経過したあとに受けることをおすすめしております。もしも3ヶ月よりも早くに検査をしてしまった方は、確認のために3ヶ月経過後にも検査を受けると安心でしょう。

GMEのHIV検査体制について

弊社では第4世代の検査方法でスクリーニング検査を行い、「陽性」だった場合にはPA法という別の方法で検査を行います。PA法でも陽性となった場合はIC法(外注)にて確認検査を行っています。病院などで使用しているものと同等の機械で検査を行っているため、高い検査精度での検査が可能です。
また、万が一HIVが陽性だった場合には、NPO法人ぷれいす東京のポジティブラインにて電話や対面でのご相談が可能です。ぷれいす東京の相談窓口をご利用した際、スムーズにフォローを受けられる連携をしております。

HIVの検査について
HIVの検査で調べる「抗体」が生成されるまでは約3ヶ月程度かかります
そのためHIVの検査を受ける時には不安のあった行為から3ヶ月後に検査を受けるようにしましょう