GME医学検査研究所

性病は何歳からなる?
年齢層別の罹患者数を紹介

性病の罹患リスクが高い年齢層とは?

性病の罹患(りかん)リスクは年齢に関係なく性交渉の経験がある人であれば誰にでもあって、特に罹患が多いのは20代です。この記事では、10代から60代までの各年齢層における性病罹患者数を紹介します。また性器クラミジア、性器ヘルペス、尖圭コンジローマ、淋菌感染症、梅毒など代表的な性病の特徴や罹患が多い年代も解説します。

性病は何歳からなる?

結論から言えば、性病に何歳からなるかは性病の種類によって軽微な差はあるものの、一般的に性交渉が盛んになるとされる10代後半からです。多くの感染症では20代がピークで、年齢を重ねるごとに減少するのが一般的です[注1]。
なお、性病とは主に性行為によって罹患する病気のことを指します。性行為には性器同士の他、口腔性交や肛門性交も含まれます。そのため異性同士だけでなく同性の性交によっても、感染が広がる可能性があるでしょう。

また、性病は性行為によって罹患するイメージが強いため、子どもは罹患しないと思っている方も多いかもしれません。しかし、妊娠中の女性が性病に罹患していた場合、母子感染により胎児に罹患する可能性があります[注2]。
胎児が罹患した場合、先天性の障害の原因になることもあるため、妊娠したら梅毒検査を受けることが大切です。

性病は種類によって、発熱や違和感程度などの軽いものから自覚症状がないものまで、さまざまな症状が起こり得ます。少しの違和感を無視して治療をしなかった場合、不妊の原因になったり内臓などに深刻な影響を与えたりすることもあります。
年齢によって罹患しない性病はないので、少しでも違和感がある場合は検査を受けましょう。

[注1]参考)国立感染症研究所.「2021年(令和3年)集計表一覧」.“全定点把握疾患の年齢階級別報告数と定点当たり報告数”.https://www.niid.go.jp/niid/ja/allarticles/surveillance/2270-idwr/nenpou/11638-syulist2021.html
[注2]参考)厚生労働省.「性感染症」.https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/seikansenshou/index.html

性病別・年齢層別の罹患者数

次に性病ごとの年齢層別罹患者数(定点医療機関からの報告数)を紹介します。
多くの性病では罹患の年齢による差はなく、新生児でも罹患します。ここで紹介するような症状や違和感があった場合は、すぐに検査を受けるのがおすすめです。

また一人で検査を受けて治療をしても、パートナーも同じ病気に罹患している可能性があります。検査を受ける場合は、パートナーと一緒に医療機関を受検するようにしてください。

性器クラミジア感染症

性器クラミジア感染症は、クラミジア・トラコマチスに感染することで引き起こされる性病です。
2021年に報告された人数は、男女合わせて30,003人でした。特に多かったのは2002年の43,766人で、年々減少してはいるものの、依然として日本では罹患者が多い感染症の一つです。
2021年の罹患者数を年齢層別で見ると、15~19歳から目立ち始め、20~24歳が9,151人と最も罹患者数が多い年齢層でした。年齢を重ねるごとに罹患者数は減少しますが、25~29歳で7,080人、30~34歳で4,005人、35~39歳でも2,849人が罹患しています。[注3]

クラミジアは性行為が活発な若年層に多く見られ、特に女性の罹患が目立つ病気です。女性は罹患しても、おりものの増加や軽い下腹部の痛み程度のため、治療をしないケースも多く見られます。
その結果、無自覚のうちにパートナーや出産児へ感染させてしまうため、注意が必要です。クラミジアは不妊の原因になったり、妊娠中の場合は早期流産になったりする可能性もあります。

男性では尿道炎が特に多い症状で、若年層の精巣上体炎の原因ともされています。自覚症状は、排尿時の痛みや尿道の不快感などですが、症状は軽く気づきにくいです。

性器ヘルペスウイルス感染症

性器ヘルペスウイルス感染症は単純ヘルペスウイルスの感染によって、性器付近に水ぶくれや潰瘍などが現れる性病です。
2021年には全世代合わせて約9,000人が罹患しました。中でも20代での罹患が特に多く、20代の罹患者数は約2,400人です。性行為が活発になる10代から増え始め、20代をピークに全年齢で罹患が見られます。[注3]

ヘルペスといえば、子どもの頃に口や顔などの上半身に水ぶくれができた方もいると思います。ヘルペスウイルスには1型と2型があり、口や顔などにかかるのは1型です。性器などの下半身に感染するのは主に2型で、感染経路は性行為です。

性器ヘルペスウイルス感染症は罹患者の約6割が女性で、性器に痛みやかゆみのある水ぶくれや潰瘍ができます。[注3]またリンパ節の腫れや痛み、排尿障害が見られることもあり、初めて罹患したときは発熱することもあります。
男性の場合も同様に、性器や肛門に水ぶくれや潰瘍ができることが多いです。足の付け根のリンパ節に腫れや痛みが生じ、尿道から分泌物が出ることもあります。

繰り返し再発する点が特徴で、根治が難しいため患者の精神的な負担が大きいことも問題です。加えて無症状のまま性交渉を行うことで、無自覚に感染を広げてしまう可能性もあります。

尖圭(せんけい)コンジローマ

尖圭コンジローマは6型や11型のHPV(ヒトパピローマウイルス)に感染し、複数のイボが性器周辺にできる性病です。2021年には約5,600人が罹患しました。
尖圭コンジローマの罹患者も20代が特に多く、2021年の罹患者数は2,200人程度です。[注3]一般的に性行為が始まる10代後半から増え始め、年齢を重ねるごとに減少します。大半は性行為による感染ですが、まれに両親や医療従事者の手指を介して、幼児に感染することもあります。

厚生労働省の性感染症報告数によると、男性の方が女性よりも罹患者数が多くなっており、罹患者の約6割が男性です。[注3]

尖圭コンジローマはイボができますが、かゆみや痛みを感じることはほんどありません。男性は亀頭や陰のう、肛門のまわりに白や茶色、薄いピンクのイボができます。女性は腟や大小陰唇に同じ症状が見られます。また、イボが発達し鶏のトサカのような形になることもあります。

淋菌感染症

淋菌感染症は、その名のとおり淋菌の感染による性病です。淋菌は粘膜から離れると数時間で感染力を失い、日光や乾燥、温度変化や消毒剤で簡単に死滅します。そのため性行為以外で感染することはほとんどありません。

2021年には全世代合計で約10,400人が罹患しました。
特に罹患者数が多い年齢層は20~24歳で、2021年は約2,700人が罹患しています。次に多いのは25~29歳で約2,000人が罹患しており、年齢層が上がるごとに罹患者数は減少しています。[注3]

なお性別で見ると、8割以上が男性です。[注3]理由は女性の方が症状が軽いため、受診の機会が少ないためと考えられています。
女性の具体的な症状は、おりものの増加や発熱、下腹部の痛み、のどの違和感など、風邪に似ています。また症状がないことも珍しくありません。妊娠している人の罹患は新生児に影響し、新生児肺炎や結膜炎を引き起こす可能性があります。不妊の原因になることもあるため、違和感を覚えたら検査をしてみるのがおすすめです。

一方男性は、2~9日の潜伏期を経て排尿時の激しい痛みや尿道から膿が出るなど、自覚しやすい症状が現れることが多いです。[注4]ただし近年では男性も、典型的な症状がなく無症状のまま経過するケースも報告されています。

梅毒

梅毒は世界中に広く見られる、梅毒トレポネーマによる細菌性の性感染症です。他の性病と同様に、母子感染により新生児にも感染します。

性行為が盛んになる10代後半から増え始め、特に多いのは20~24歳で1,472人が罹患しています。特徴的なのは、総罹患者数に増加傾向が見られることです。2012年までは1,000人を下回っていましたが、2013年に1,228人になってからは増加を続け、2021年には約8,000人が罹患しています。梅毒は男性の方が多く、罹患者の約7割は男性です。女性では20歳代の罹患者が多く女性全体の半数以上を占めています。[注3]

感染すると小さなしこりや痛みの少ないただれ、痛みやかゆみのない発疹などが現れます。数週間で目に見える症状がなくなりますが、感染力が残っているのが特徴です。

治療せずに放置していると、心臓や血管、脳などに病変が生じることもあります。また妊娠中に感染すると胎児にも感染し、死産や早産となる可能性もあります。無事に生まれてきても、子どもの神経や骨などに異常をきたすこともある病気です。

梅毒は、罹患すると全身にさまざまな症状が現れ、適切な治療を受けなければ深刻な影響が起こる可能性を持つ病気です。

[注3]参考):厚生労働省.「性感染症報告数(2004年~2021年)」.“年齢(5歳階級)別にみた性感染症(STD) 報告数の年次推移”.https://www.mhlw.go.jp/topics/2005/04/tp0411-1.html
[注4]参考):国立感染症研究所.「淋菌感染症とは」.https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/ra/gonorrhea/392-encyclopedia/527-gonorrhea.html

罹患者数が増えている性病・減っている性病

性器クラミジア感染症:増加

罹患者数は2002年をピークに減少を続けていました。しかし、2017年頃から20代の罹患者数は増加傾向にあります。2017年の罹患者数が24,825人だったのに対し、2021年には30,003人まで増加しています。

性器ヘルペスウイルス感染症:維持

罹患者数は2006年のピークを境に2009年まで減少しました。以降、2021年までは多少の増減を繰り返しながら、約9,000人の罹患者数を維持しています。

尖圭コンジローマ:減少

罹患者数が特に多かったのは、2005年の6,793人です。そこから徐々に減少を続け、2021年の罹患者数は5,602人でした。

淋菌感染症:増加

罹患者数のピークは2002年で、21,921人です。減少を続け、2009年には1万人を下回る9,285人となりました。その後徐々に減少傾向にありましたが、2021年に再び1万人を超える罹患者数となりました。

梅毒:著しく増加

罹患者数が著しく増加しているのは、梅毒です。1999年から2012年までは1,000人を下回って推移していましたが、2013年に1,228人が罹患してからは増加の一途をたどっています。2018年には7,000人を超え、2021年には7,978人が罹患しました。

誰にも会わずに検査したいならGME医学検査研究所

本記事では、年齢層別の性病の罹患者数を紹介しました。
性病に何歳からなるのかは、年齢別の感染報告件数データを見ると、おおむねどの性病も10代後半だといえます。20代が罹患者数のピークです。ただし年齢ごとに罹患者数の差はあるものの、性病は母子感染を起こすため新生児を含め、年齢に関わらず誰でも罹患するリスクがあります。

性病は自覚症状がないものもありますが、治療をせずに放置すると深刻な影響を与えるものもあるため、少しでも不安がある場合は、パートナーと一緒に早めに検査を受けてみましょう。

GME医学検査研究所では、各種性病を検査できる性病検査キットを取り扱っています。ご自分で採取されるのが初めてで不安な方向けに、採取に失敗してしまった場合でも無料で採り直しが可能なパッケージもご用意しています。
検査キットの受け取りや検体の返送は郵送で行うため、誰にも知られずに検査が可能です。検体が到着してから、最短で翌日には結果が確認できます。検査を検討している方は、まずはGME医学検査研究所のホームページからお問い合わせください。

何歳から性病になる?
性病にかかるリスクに年齢は関係ないものの一般的に罹患が多いのは20代です
各年齢層別に罹患者数や増加・減少傾向が変わるため年齢によってリスクの高い性病もあります
定期的な検査を心がけましょう