尖圭コンジローマのまとめ
- ①患者の大部分は若い世代
- ②視診上治癒しても3ヶ月以内に約25%は再発する
- ③視診で観察できるまでに3週~8ヶ月
- ④コンドームだけでは完全に予防できない場合がある
尖圭コンジローマはヒトパピローマウイルス(HPV)の感染が原因で、性交為あるいはその類似行為により、HPVが皮膚や粘膜の微小な傷から侵入し、性器やその周辺に小さなイボを作る性感染症です。
尖圭コンジローマは、視診上治癒しても3ヶ月以内に約25%は再発します。またパートナーからの再感染よりも、再発のほうが多いとされています。
主に性行為(性行為・アナルセックス・オーラルセックス・その他類似行為)によって、HPV(6型あるいは11型)に感染することが原因です。尖圭コンジローマに感染している方と性的行為を行った場合、60〜70%以上の確率で感染すると言われています。患者の大部分は性的行為を活発に行う若い世代に多く見られます。
性器周辺だけでなく、膣の入口や陰嚢など自分では見えずらい場所にもできることがあります。また、肛門内の尖圭コンジローマは、同性愛者の肛門性交が原因となる場合が多いです。
感染後、視診で観察できるまでに3週~8ヶ月(平均2.8ヶ月)を要するので、感染機会を特定できないこともあります。イボの大きさは1~3mm前後で次第に増えていきます。増えてくるとトサカやブロッコリーのように厚みを増したり、広範囲に広がったりします。
ほとんどの場合痛みやかゆみがないため、気づかれないこともあります。
尖圭コンジローマは視診の他に組織診といって組織を採取し、顕微鏡で観察して病理診断を行う方法でも検査できます。尖圭コンジローマは臨床症状により診断がほぼ可能です。視診での診断が不確実な時は、病理診断や遺伝子検査を行います。
コンドームを正しく使用することが大切ですが、広範囲に感染がある場合にはコンドームだけでは完全に予防することはできません。
コンドームを正しく使用することも有効な予防法ですが、HPVが肛門周囲など性器以外の場所にいた場合は、コンドームだけでは防ぎきれないこともあります。
また治療方法としては、薬物療法・凍結療法・電気メスやレーザー蒸散などによる外科的療法などの方法がありますが、全ての尖圭コンジローマを確実に治療できる治療法は今のところありません。
治療時に見えているものを全て除去しても、他の部位に感染していることがあり、数週間の間隔で繰り返し治療が必要になります。