- ①検体が凍ったり高温になっても検査精度に問題はない
- ②何度も凍結・融解を繰り返す場合は注意が必要
- ③遺伝子や抗体・抗原を検出している
- ④病院と同等の検査精度
郵送で検査を行う場合は、自分で採取した検体をポストに投函して返送します。北海道などの寒い地方では検体が凍ってしまう心配があったり、沖縄など暑い地方では検体が高温になってしまう心配が出てくるかもしれません。今回は、そのような地域から返送する場合の検査精度についてや、郵送中に菌が死んでしまっても検査ができるのかどうかなどを、解説していきます。
郵送中の気温差があっても精確な検査が可能です
北海道や沖縄など、気温の変化が大きい地域からご返送いただく場合、検体の保存状態によって検査精度に影響がでないか心配になる方は多くいらっしゃいます。
たしかに、気温が氷点下になる地域では検体が凍ってしまったり、逆に暑い地域では検体が高温になることがあります。ですが、基本的には凍ってしまったり高温状態にさらされても、検査に問題はありませんのでご安心ください。しかし、万が一、何度も凍結・融解を繰り返してしまうと正しい結果を得られない場合があります。
当社でも採用しているろ紙血の安定性を調べた、こんな報告があります。4℃で2日と8日、40℃で8日、45℃で2日と8日と、保存条件を変えた検体のHIV抗体と梅毒抗体を測定した研究を行った。(抗体は、陽性となるように調整されている。)すると、45℃で8日保存した検体では抗体価の低下がみられ、それ以外の保存条件では抗体価の低下はみられませんでした。
40℃であれば8日間、45℃であれば2日間は検査精度へ問題はなく、郵送検査におけるろ紙血検体の安定性が保証されているといえそうです。[注1]
郵送中に菌が死んでしまっても精度に影響はない
郵送で検体を返送している間に、菌が死んでしまって検査ができないのでは?と疑問に思う方もいらっしゃいます。GMEの郵送検査では菌自体ではなく『菌体中の遺伝子(DNAやRNA)』や『抗体』『抗原』などを検出しているため、菌が死んでしまっていたとしても精度の高い検査が可能です。
各検査ごとの検出対象は以下となります。
◎クラミジア・淋菌・トリコモナス・カンジダ・マイコプラズマ・ヒトパピローマウイルス・新型コロナウイルス
当社では、クラミジア(性器、咽頭、直腸を含む)・淋菌(性器、咽頭、直腸を含む)・トリコモナス・カンジダ・マイコプラズマ・ヒトパピローマウイルス(HPV)・新型コロナウイルスの項目の検査を、菌体中の遺伝子(DNAやRNA)を検出するリアルタイムPCR法にて実施しています。
したがって、菌の生死に関係なく、DNAが検体中にわずかにでも存在すれば、PCR法によって増幅・検出されるため、菌の生死は検査精度に影響はありません。
◎HIV・C型肝炎ウイルス・梅毒・B型肝炎ウイルス
血液検査においても、HIV・C型肝炎ウイルス・梅毒検査は、血液中の抗体を検出しています。また、B型肝炎ウイルス検査では、ウイルス表面のタンパク質抗原を検出しているため、いずれも菌の生死は検査精度に影響はありません。
法律的にも問題はありません
たとえば大腸がん検診の場合、新鮮な生の便は郵送法第14条付則第3項で禁止されていますが、便潜血の免疫法採取容器についての郵送は許可されています。他の項目についても「感染している」と分かっているものの郵送は、郵便法で禁止されていますが、感染しているかどうかを検査するための検体については郵送可能となっています。
検査精度は病院と同等です
GMEで行っている検査は『登録衛生検査所』と呼ばれる国の審査を経て運営されている検査所で行っています。
また、検査技師会主催の精度管理調査に毎年参加し、検査精度に問題がないことを確認しています。
ほとんどの病院では当社と同じような登録衛生検査所に検査を委託していて、当社も同じ登録衛生検査所であるため病院で行った検査と同等の検査精度です。実際に、当社でも医療機関からの検査を受託しております。
しかし、検査施設によって採用している検査法が違うと得られる結果に相違が出てくる可能性があることや、当社の場合、検体採取が自己採取という点においてはまったく同じとは言えません。検体採取方法にしたがって正しく検体を採取できれば、得られる結果の信頼性は非常に高いとお考えください。
万が一何度も凍結・融解を繰り返してしまうと正しい結果を得られない場合があります、そのような場合にはぜひお問合せください