GME医学検査研究所

ヘルペスの原因って?何をしたらうつる?
治せないといわれている『ヘルペス』どうしたらいいの?

ヘルペスに感染すると一生治らないと言われる理由は?

感染すると一生治らないといわれる性病のひとつ『ヘルペス』。
ヘルペスウイルスに感染すると、ウイルスは身体の神経節に移動して潜伏感染をし、そのまま一生体内に存在し続けます。神経に到達してしまったヘルペスウイルスを除去する方法は残念ながらありません。
身体に疲労やストレスをため過ぎないよう、健康的な生活を送ることで再発を防ぐことができます。

ヘルペスとは?

ヘルペスとは、単純ヘルペスウイルス(HSV)1型(HSV-1)または2型(HSV-2)の感染によって、浅い潰瘍や水疱を形成する病気です。
HSVは、性器に感染すると神経を伝わって上行し、主に腰仙髄神経節などに潜伏感染します。潜伏感染したHSVは、疲労など何らかの刺激によって再活性化され、神経を伝わって下行して再び皮膚や粘膜に現れて病変を形成します。

感染したら、必ず症状が出るの?

ヘルペスウイルスの症状には、HSVに初めて感染して発症した場合と、潜伏感染していたHSVが再活性化して発症する場合の2種類あります。
初めてウイルスに感染し発症した場合を「初感染初発」と呼び、症状が広範囲で強く、全身症状を伴います。しかし、感染してもほとんどは無症状なことが多く、ストレスなどで免疫が弱まった際に潜伏していたウイルスが再活性化し、初めて症状が現れることがあります。これを「非初感染初発」と呼び、症状は初感染時に比べて軽く全身症状を伴うことは少ないです。

一方、初発ののち症状の出現が繰り返される場合を再発と呼び、ウイルスが潜伏していた状態から再度活性化されることで発症します。再発の症状は初感染に比べて軽度で、全身症状を伴わないことが多いです。再発の頻度は個人によって異なり、感染者によって繰り返し発症することがあります。

どんな症状があるの?

では、ヘルペスウイルスによる症状を、男女別でみていきましょう。

◎男性の症状

男性の初感染初発では、2~10日間の潜伏期間を経て次のような症状がみられます。
・性器のかゆみや違和感
・直径1~2mmの複数の水疱
・水疱が破れて、痛みを伴う円形の浅い潰瘍ができる
・鼠径リンパ節腫脹
・尿道分泌物
・発熱を伴うこともある

非初感染初発では、初感染の場合よりも症状は軽いことが多く、治癒までの期間も短いですが、免疫不全者や高齢者では症状が重いとされています。
また、再発時には初感染時とほぼ同じ部位・殿部や大腿部に、水疱あるいは浅い潰瘍を形成しますが、症状は軽く、治癒までの期間も1週間以内と短いです。免疫不全患者では、深い潰瘍を形成し、難治性となります。
病変の出現と同時に、全身倦怠感、下肢の違和感などが1週間程度続くこともあります。

◎女性の症状

女性の初感染初発では、2~10日間の潜伏期間を経て次のような症状がみられます。
・大陰唇や小陰唇から、腟前庭部、会陰部にかけて、浅い潰瘍や水疱の多発
・子宮頸管や膀胱に浅い潰瘍や水疱の出現
・強い疼痛(排尿困難や歩行困難になることもある)
・鼠径リンパ節の腫脹と圧痛
・神経麻痺による便秘
・38℃以上の発熱を伴うこともある

非初感染初発では、初感染の場合よりも症状は軽いことが多く、治癒までの期間も短いですが、免疫不全者や高齢者では症状が重いとされています。
また、再発時の症状は軽く、性器または殿部や大腿部に小さい潰瘍または水疱を1~数個形成するだけのことが多いです。
再発する前に、外陰部の違和感や、大腿から下肢にかけて神経痛様の疼痛などの前兆がみられることもあります。再発の頻度は、月に2~3回から、年に1~2回とバラツキが大きいのが特徴です。

口と性器のヘルペスは違うの?

単純ヘルペスウイルスは血清型の違いにより1型(HSV-1)と2型(HSV-2)に分けられます。

HSV-1は通常、口唇ヘルペスの原因となり、口や顔周辺で症状がみられます。感染者の唾液や咳、くしゃみ、直接の接触によって広がります。感染者の唇や口の周りにできた水疱や潰瘍に触れたり、食器、リップバーム、タオルなどを共有することで感染します。
ただし、口唇に感染した単純ヘルペスウイルスが、オーラルセックスにより性器に感染する場合もあります。

一方、HSV-2は一般的に性器ヘルペスの原因となり、性器やその周辺に症状が現れます。性的接触によって感染するため、性行為による感染リスクが高いです。

ヘルペスって治らないの?

ヘルペスウイルスは治療薬により、ウイルスの増殖を抑えることは可能ですが、潜伏感染しているウイルスを排除することは残念ながらできません。
そのため、完治を目指すことはできません。

初感染初発の場合、2〜3週間で自然治癒しますが、ヘルペスウイルスに有効な薬を使用することで治癒までの期間を短縮できます。非初感染初発の場合は、症状の重さにより治療期間が設定されます。
再発の場合、抗ヘルペスウイルス薬を通常5日間服用します。早い段階で治療を開始することが重要で、局所の違和感や神経痛のような痛みなどといった再発の前駆症状がある場合には抗ヘルペスウイルス薬の服用によって症状を軽くすることができます。

性器ヘルペスは、性行為のパートナーの数が多いほど感染機会が多くなります。また、アトピー性皮膚炎患者などのバリア機能が低下している人や外陰部に皮膚炎などの病変を持つ人は、性器ヘルペスに感染しやすいとされています。

性的接触からの予防

性交の際は、最初から最後までコンドームを使用しましょう。再発の場合、肛門や殿部などにも病変が起こるので、コンドームの使用だけでは完全に防ぐことができません。

母子感染からの予防

現在妊婦の抗ヘルペスウイルス薬の服用は可能ですが、長期追跡による胎児への安全性が確認できておりません。出産時期に性器にヘルペス性病変がある場合は、帝王切開での分娩がすすめられています。

ヘルペスについて
ヘルペスは1度感染すると完治ができない性感染症です
身体が疲れていたりストレスが溜まって免疫力が低下している時に症状が再発するのが特徴です
なるべく免疫力が下がらないように日頃から気をつけるようにしましょう