GME医学検査研究所

尿道炎とは?
原因や注意点をわかりやすく解説

尿道炎ってどんな性病?

尿道炎は、男性に多い病気の一つです。尿道の痛みやかゆみなどの症状が現れたときは、我慢せずに病院で相談することをおすすめします。悪化を防ぐため、性病検査などを受けて原因を特定し、なるべく早く治療を開始しましょう。本記事では、尿道炎の概要や原因、かかったときの注意点について詳しく解説します。

尿道炎とは細菌により尿道が炎症を起こす病気

尿道炎とは、尿道に細菌やウイルスが入り込むことにより炎症を引き起こす病気のことです。尿道は尿を膀胱から身体の外へ排出するための管であり、何らかの原因で細菌に感染することで尿道炎が発症します。

尿道炎は主に男性に発生しやすい病気です。
女性は男性と比較すると尿道が短いため、尿道炎になるケースはそれほど多くはありません。女性の場合、尿道口から細菌が入り込むと、膀胱が炎症を起こす膀胱炎になってしまうケースが多いでしょう。

尿道炎は性感染症とは限りませんが、淋菌やクラミジアといった性感染症を引き起こす細菌が原因で発症することも多くあります。
ただ、細菌が身体の中へ入り込んだときに尿道炎を発症するとは限りません。発症するかどうかは免疫機能や疲労状況、ストレスや生活習慣などによって異なります。当然、免疫機能が低下していると尿道炎を発症しやすくなるため注意が必要です。

尿道炎の原因となる細菌やウイルス

尿道炎の原因となる細菌やウイルスの代表的なものとして、淋菌、クラミジア、マイコプラズマなどが挙げられます。単体の場合もありますが、複数の細菌やウイルスが混合して尿道炎を引き起こすケースもあるため注意しましょう。以下、それぞれの細菌やウイルスについて詳しく解説します。

1.淋菌

淋菌は、淋菌感染症という病気を引き起こす細菌です。性行為によって感染することが多く、性器だけではなく咽頭や直腸に感染することもあります。淋菌感染者との性行為により高い確率で感染するため、注意しなければなりません。

淋菌に感染すると、数日〜9日程度の潜伏期間を経て尿道炎の症状が現れます。[注1]
男性の場合、尿道のかゆみや排尿時の痛み、ドロドロとした膿が出るなどの症状が現れるケースが多いでしょう。女性の場合は、おりものが増加したり排尿痛を感じたりすることもありますが、無症状のまま病気が進行してしまうこともあります。

2.クラミジア

クラミジアも尿道炎の原因の一つです。クラミジアの感染経路は主に性行為で、女性の性器から男性の尿道へ感染することが多いでしょう。
クラミジアに感染すると、男性の場合はクラミジア性尿道炎、女性の場合はクラミジア性子宮頚管炎といった病気につながります。

潜伏期間は2〜3週間程度です。[注2]ただし、感染しても無症状であることが多く、自覚のないまま感染が広がってしまう可能性もあるため注意しなければなりません。症状が出る場合は、尿道の軽いかゆみや排尿時の軽い痛みなどが現れます。

3.マイコプラズマ/ウレアプラズマ

淋菌やクラミジアは尿道炎の大きな原因ですが、それ以外の原因菌により尿道炎が引き起こされるケースもあります。
マイコプラズマやウレアプラズマも尿道炎の原因菌です。淋菌やクラミジアと同様、性器に感染することでさまざまな症状を引き起こします。

1〜5週間程度の潜伏期間を経て、尿道や膣に違和感がある、排尿時に痛みを感じる、少量の透明な分泌物が出るなどの症状が現れます。ただし、症状が出ないことも多く、気付かないうちに病気が進行してしまう可能性もあるため注意が必要です。

[注1]※出典)国立感染症研究所ホームページ. 「淋菌感染症とは」.
https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/ra/gonorrhea/392-encyclopedia/527-gonorrhea.html(入手日付2023-07-18)
[注2]※出典)国立感染症研究所ホームページ. 「性器クラミジア感染症とは」.
https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/sa/chlamydia-std/392-encyclopedia/423-chlamydia-std-intro.html(入手日付2023-07-18)

尿道炎にかかったときに現れる主な症状

尿道炎にかかると排尿時の違和感や痛み、頻尿、尿道から膿が出るといった症状が現れます。それぞれの症状について簡単に確認しておきましょう。

尿道炎の主な感染経路

尿道炎の感染経路としては、性行為による感染や大腸菌による感染などが挙げられます。それぞれの感染経路の詳細は以下のとおりです。

1.性行為による感染

性行為を通して尿道炎の原因となる細菌やウイルスに感染することで、尿道の炎症が起こります。尿道炎の原因菌としては、前述のような淋菌やクラミジア、マイコプラズマなどが挙げられます。パートナーがこれらの原因菌に感染していると、性行為による粘膜の接触が原因で自分も感染してしまうのです。

2.大腸菌による感染

大腸菌などが尿道へ侵入することにより、尿道炎になるケースもあります。肛門や性器の周囲を清潔にしておかないと、雑菌が尿道へ侵入してしまう可能性もあるため注意しましょう。

尿道炎になったときの3つの注意点

尿道炎になったときは、合併症に注意する・性行為は避ける・早めに病院を受診するといった点に注意しましょう。以下、それぞれの注意点について詳しく解説します。

尿道炎の症状がある場合は早めに病院を受診しよう!

今回は尿道炎になる原因や症状、かかったときの注意点などを解説しました。
尿道炎の原因としては、淋菌やクラミジア、マイコプラズマなどが挙げられます。主に性行為によって感染するケースが多いため、コンドームを使用するなどの感染対策を講じることが重要です。また、尿道炎が疑われるときは早めに受診して、検査を受けましょう。

身体の免疫力を高めることも尿道炎を防止する方法の一つです。免疫力が高い状態を維持できれば、仮に細菌が侵入しても症状が重くなるのを防止できます。日頃からバランスのよい食事を摂ったり、しっかりとした睡眠時間を確保したりして、尿道炎を防止しましょう。

尿道炎について
尿道炎は主に性行為によって感染するケースが多いためコンドームを使用するなどの感染対策をすることが大切です
また、免疫力が下がると発症しやすくなってしまうため身体の免疫力を高めて尿道炎を防止しましょう!