- ①性行為後に検査が受けられる時期は検査項目ごとに異なる
- ②血液や遺伝子を調べるが検体は検査所によって異なる
- ③HIVや梅毒は3ヶ月経過してからの検査がおすすめ
- ④リスク行為があったら性病検査をしましょう
性行為後の検査のタイミングや必要な期間について解説します。
性病の潜伏期間や感染後の発症までの時間、検査が可能となる時期、またどのような場合に再検査が必要なのか?など、様々な状況について詳しく説明します。
性行為後の検査のタイミングと必要な期間
性行為後に検査が受けられる時期は、検査項目ごとに異なります。
性感染症 | 検査時期 |
HIV・梅毒 | 感染が疑われる機会から1か月後から陽性と判定することが可能です ※確実に陰性と判断するには3ヶ月経過後に検査を受けましょう |
クラミジア・淋菌・マイコプラズマ・トリコモナス | リスク行為から1日経過後 |
カンジダ・HPV | 感染機会に関わらず随時 |
また、検査にかかる日数も、検査項目によって異なります。
検査日数は検査所によっても異なるため、心配な場合には事前の確認をおすすめします。
GME医学検査研究所の場合には、HIV・梅毒・クラミジア・淋菌・マイコプラズマ・トリコモナスに関しては、GMEに検体が到着してから最短で翌日には検査が完了します。ただし、再検査となった場合には、さらに1~2日の時間を要します。
HPVについては、外部へ委託しているため、3〜6日程度かかります。
性病検査の具体的な方法
では、「どのような検査を行っていて、何の検体が必要か」について、GME医学検査研究所で行っている検査内容と必要な検体を説明します。
検査所によって異なるため、検査を受ける場合には各検査所への確認をおすすめします。
HIV・梅毒について
血液中に産生される抗体について調べるため、血液が検体として必要となります。
弊社では、血液を輸送しやすいようにろ紙に染み込ませて乾燥させた「乾燥ろ紙血」の状態で返送していただきます。
クラミジア・淋菌・マイコプラズマ・トリコモナス・カンジダ・HPVについて
病原体の遺伝子を検出しています。必要な検体については、性別によって種類が異なります。
男性の場合、クラミジア・淋菌・マイコプラズマ・トリコモナス検査では尿を採取していただき、カンジダ検査では陰茎表面を擦って採取します(陰茎表皮擦過物)。
女性の場合、どの検査においても採取する物は膣分泌物です。クラミジア・淋菌・マイコプラズマ検査に用いる検査キットとトリコモナス・カンジダ検査に用いる検査キット、HPV検査に用いる検査キットはそれぞれ異なるため、全項目を検査する方は検査キットごとに採取をしていただく必要がございます。
喉や直腸の検査について
クラミジアと淋菌については、喉への感染を検査したい場合にはうがい液、直腸へ感染しているかどうかを調べたい場合には直腸擦過物を採取します。
GMEでの性病検査で気を付けるべきポイントと注意事項
続いて、GME医学検査研究所の郵送検査を受ける際に気をつけることや注意事項について解説します。検査所によって注意事項は異なるため、GME以外で検査を行う場合には、各検査所での注意事項をしっかりご確認ください。
HIV・梅毒検査
ろ紙へ血液を染み込ませた後によく乾燥させてからご返送ください。
そして返送の際には、開封したアルコール綿を「血液専用返送袋」にろ紙と一緒に入れないようにしましょう。せっかく採取した検体で検査を行えなくなってしまいます。
クラミジア・淋菌・マイコプラズマ・トリコモナス・カンジダ・HPV検査
検体を採取するタイミングが重要になってきます。
【男性】
尿検体の場合、起床後の初尿(出始めの尿)を採取しましょう。もし、採取できなかった場合には、最後の排尿から2〜3時間経過した初尿を採取してください。
陰茎表皮擦過物については、入浴直後や性行為直後の採取はお避けください。起床後あるいは入浴した場合には2〜3時間空けて採取しましょう。
【女性】
膣分泌物については、以下のタイミングを避けて採取しましょう。
・生理中、妊娠中
・入浴、膣洗浄、性行為の直後
・薬を塗った直後
入浴した場合には、2〜3時間空けてから採取しましょう。
クラミジア・淋菌検査では、容器に綿棒を入れて返送します。
うがい液
起床後や飲食・うがい・歯磨きの前に採取してください。
このタイミングを逃してしまったら、最後の飲食・うがい・歯磨きから1〜2時間経過してから採取しましょう。
さらに、うがい液の量にも注意が必要です。規定量より少ない場合は勿論、多く採取してしまった場合にも、検査結果が参考値となってしまいます。ご心配でしたら検体を返送する前に、一度確認をしてみましょう。
直腸擦過物
直腸擦過物の場合、排便や性行為直後の採取は避けましょう。
検査結果の判定について
ここで、検査結果の判定について説明します。
どの検査においても、陰性であれば感染している確率は低く、陽性であれば感染している恐れがあります。陽性の場合には、速やかに医療機関を受診してください。
女性のクラミジア・淋菌に関して、感染してから長期間放置した場合、感染部位が子宮の奥へと進んでしまい(上行感染)、通常の膣内における検査では検出できないことがあります。
また、カンジダ検査で陽性の場合、男女ともに自覚症状があればカンジダ症を発症していることが考えられますので、医療機関の受診をお願いします。
ただし、陽性と判定されても、自覚症状がない場合には治療の必要はありません。カンジダは常在菌として存在しているため、症状がない場合には問題ありません。
再度検査を受ける必要はあるの?性病検査の頻度は?
HIVと梅毒については、冒頭で説明した検査タイミングの前に検査を受けた場合、感染していても結果が陰性となってしまうことがあります。
HIVや梅毒に感染して、抗体が産生されてから血液中に出現し、検査で検出できるようになるまで、個人差はありますが感染機会から4〜8週間かかるとされています。したがって感染していた場合、1ヶ月で陽性と判定できることもありますが、その際に陰性であったとしても感染していないとは言い切れないのです。
確実に感染していないことを確認したい場合には、3ヶ月経過してから再度検査を受けましょう。
治療確認としてクラミジアや淋菌の検査をする場合は、治療を終えて2週間経過してから検査をしましょう。
また、性感染症の検査を実施する頻度としては、リスク行為があったら受けることをおすすめします。
不特定多数の人と性行為をする頻度が多い場合には、月に一度など定期的に検査を行いましょう。
検査の時期をしっかりと確認してから性病検査を受けるようにしましょう