肺がんのまとめ
- ①早期はほぼ無症状なことが多い
- ②肺腺がんは喫煙しなくてもなる可能性がある
- ③無症状の時に治療すれば治る
肺がんは、日本人のがんによる死亡原因の中で最も多く、今後も更に増加する傾向にあります。
肺がんは早期ではほぼ無症状なので、発見が非常に困難で、検査で初めて気がつくことが多く、また、発見された時点でかなり進んでいることが多い病気です。
老人であっても進行が遅いことはなく、タバコを吸わない人や女性にも起こる病気です。
しかし、無症状のときに早期発見し、治療を開始すれば治る病気になりました。
肺がん原因の代表は“喫煙”と“受動喫煙”です。
肺がんは、肺細胞の遺伝子が傷つき、変異することで起こります。遺伝子を傷つける原因にはさまざまな要因がありますが、その代表的なものが喫煙と受動喫煙です。その他アスベストなども原因になることが知られています。
ですが最近は喫煙をしない人も増えてきています。
それでも肺がんが増え続けているのは、肺がんの種類により、影響をうける原因が違うからなのです。
一般的には扁平上皮がんや小細胞がんは喫煙が大きな原因といわれていますが、喫煙者ではなくても、肺がんになってしまう可能性は充分にあります。それが腺がんです。
腺がんの場合、喫煙との関係は低く、その原因は大気汚染が深く関わっていると考えられています。
肺がんには、発生頻度の高い順に腺がん、扁平上皮がん、小細胞がん、大細胞がん、と大きく分けて4つの種類(組織型)があります。
組織型 | 多く発生する場所 | 特徴 |
線がん | 肺野部 | 肺の奥のほうのこまかく枝分かれした先にできます。女性やタバコを吸わない人にできることが多く、肺がん全体の半数を占めます。また、症状が出にくいです。 |
扁平上皮がん | 肺門部 | 喫煙との関連が大きく、大部分は肺の入り口に近い肺門部にできます。肺がん全体の25~30%を占めます。 |
小細胞がん | 肺門部 | 喫煙との関連が大きく、ほかの組織型と比べて進行が速く転移しやすいため,手術可能な時期に発見されることは少なく,手術が行われることはまれです。 |
大細胞がん | 肺野部 | 進行が早く転移しやすい。小細胞がんとよく似た性質を持っており、多くは肺の末梢にできます。 |
肺門型(中枢区)
肺の入り口(肺門)近くの太い気管支から発生したがん。
喫煙との関連が深く、咳や血痰が出ることがある。肺門型と関わりの深い組織は扁平上皮がんや小細胞がんです。
咳が続いたり血痰などの症状が現れることがありますが、肺がんは、初期には全く症状がないことがほとんどです。
症状に気づいてからだと、進行している可能性が高くなります。
肺がんの予防は言うまでもなく禁煙することです。
肺がんの発症は喫煙量に大きく関係しており、喫煙を開始した年齢が低いほど発症するリスクが高まります。
さらに定期的な検診や早めの検査を受けることです。検査を受けることで体の異変に気付き対策を考えていくことができ、肺がんにかかっていても早期に発見することで転移などの悪化を防ぐことができます。また、肺がんは遺伝も関係があるといわれていますので、血縁者に肺がんを患った方がいる場合は肺がんになる可能性があります。
定期的な検診を受けることで効果的に予防できるといえます。