性器ヘルペスのまとめ
- ①すでに潜伏感染している場合がある
- ②無症状でも感染する場合がある
- ③口唇ヘルペスから性器へも感染する
- ④生涯にわたり感染し続ける
単純ヘルペスウィルスの多くの方が感染する身近なウィルスであり、特にHSV-1型には日本人の50~70%が感染していると言われています。キスや性行為だけでなく、タオルやグラスの共有でも感染します。
また、潜伏感染し続け、体調不良などで再発するのもヘルペスの特徴です。
ヘルペスは、治療せずに放っておくと…治療が長引き、シミや跡になったり、恋人や家族、子供に感染させてしまう可能性もあります。適切な治療・再発予防をしないと、何度も繰り返します。
主に性行為によって単純ヘルペスウイルスに感染することが原因です。
口唇に感染した単純ヘルペスウイルスが発症している状態で、オーラルセックスをする事により性器に感染する場合もあります。
発症には、ヘルペスウイルスに初めて感染したときと、すでに潜伏感染していたヘルペスウイルスの再活性化によるときとの2種類があり、初めて症状の現れた場合を「初発」といい、初めて感染した場合には「初感染」と呼んで区別します。
感染したときは無症状であっても、免疫が低下したために潜伏していたヘルペスウイルスが再活性化され、症状が初めて出現する場合があり、これを「非初感染初発」と呼びます。
さらにヘルペスは初発ののち症状の出現が繰り返されることが多く、この場合は「再発」あるいは「回帰発症」と呼びます。
初めて感染したときは病巣が広範囲で症状が強く、発熱などの全身症状を伴うことが多いですが、すでに潜伏感染していたときは症状が軽く、全身症状を伴うことは少ないといわれています。
また感染してすぐに症状が出る場合と、感染した時は症状が出ずに、しばらく経ってから症状が出る場合があるため、感染源となった性行為と発症の時期がずれる事があります。
ヘルペスウィルスの潜伏期間は2~10日です。
初感染で初発の場合は潰瘍や水疱ができたり、発熱を伴ったりします。
すでに潜伏感染していて初発の場合は、初感染の場合よりも症状は軽いことが多く、治癒までの期間も短いですが、免疫不全者や高齢者では症状が重くなります。
再発の場合も比較的症状は軽いもので済みます。
ただし、帯状疱疹や梅毒も同じように水疱ができる場合があるので、比較的症状が軽いからと放置せず、1度検査を受けることをおすすめします。
口唇ヘルペスの場合は、水ぶくれが出来る前に、皮膚にピリピリ・チクチク・ムズムズなどの熱感・違和感・痒みを感じます。また、口唇以外の顔面に発生することがあります。
1型は口唇に症状が症状が出ることが多く、2型は下半身に症状が出やすく再発しやすいのが特徴です。
まず性行為の際は、最初から最後までコンドームを使用すること。
ただし再発の場合、肛門や殿部などにも病変が起こるので、コンドームの使用だけでは完全に防ぐことができないので注意してください。
性器ヘルペスは、性行為のパートナーの数が多いほど感染機会が多くなります。また、アトピー性皮膚炎などでバリア機能が低下している方や外陰部に皮膚炎などの病変を持つ人は、性器ヘルペスに感染しやすいです。
妊婦の方でも抗ヘルペスウイルス薬の服用は可能ですが、長期追跡による胎児への安全性が確認できておりません。性器にヘルペス性の病変がある場合は、帝王切開での分娩をすることが現在ではすすめられています。
口唇ヘルペスは触れることにより感染してしまう恐れがあるので、発症している場合は、パートナーとキス・オーラルセックス・タオルの共用・食器類の使いまわし等はしないようにしましょう。